我が家に犬のダックスが女王様気分で生活をしている。次男夫婦がほんの1年間神戸で飼っていたが、シアトルに行くことになり、我が家にやって来た。早いもので15年が経ち、11月の誕生日を迎えると16歳の老犬となる。

1月の大雪から今日まで、近所の犬が6匹も旅だった。大好きだった散歩を2年前から嫌うようになり、少しずつ食べ物に興味をなくし、耳も遠くなり、右目も白く濁る。7月に入ると水も餌も口にせず、タール便も数回。点滴に通院すると少しいい顔を見せ、ただ眠っている生活が続いた。もう覚悟を決め、延命治療はやめて自然体にしようと思った。

ところがある日から、ヨボヨボ歩きだった犬が競馬のごとき走る。むらがあるものの、「お手」「お代わり」をして餌を要求する。奇跡的な回復である。

そのある日からとは、NHKで放送された番組をみて、友達からも勧められ、私たち夫婦のために購入した鳥取大学医学部開発のアロマが効いているのではーと思った。半信半疑ではあるけれど、ほかに思い当たる節がない。昼用、夜用のアロマを使い分け、同じ部屋でいつも一緒に生活をしているから、アロマが良いのではと私一人思っている。

この2年間、大好きなサッカー観戦、旅行、友人や東京の孫に会いたいときに会えない、もんもんとした暮らしが続いている。私の本心は自由になりたい。いや一日でも長く生きて欲しい。15年世話をして、もう少し頑張ろうと自分の心に言い聞かせている。この気持ち、長い闘病生活を送った母へ抱いたときと同じ複雑な心境と闘っている。

(境港市渡町、66歳)